SOUNDPEATS Air5 Pro+レビュー。高解像度でも聴き疲れないワイヤレスイヤホン

完全ワイヤレスイヤホンを選ぶとき、「便利なのは分かっているけれど、音質はやっぱり有線に敵わないのでは」と迷ったことはないでしょうか。
かく言う私もそのうちの一人です。
今回ご紹介する「SOUNDPEATS Air5 Pro+」は、そんな先入観を心地よく裏切ってくれた一台。
シリコンウェハーから作られるxMEMS社製MEMSドライバーと10mmダイナミックドライバーを組み合わせたハイブリッド構成に、LDAC・aptX Losslessの両対応、最大55dBのAIノイズキャンセリングまで詰め込んだ意欲作です。
今回はメーカーのSOUNDPEATS様より製品をご提供いただく機会に恵まれ、約1ヶ月間、日常の中でじっくり使い込んでみました。
提供品ではありますが、レビュー自体は忖度なく良かった点、気になった点を包み隠さずお伝えして参ります。
気になった方はぜひ最後までご覧ください。

SOUNDPEATS Air5 Pro+の特徴

SOUNDPEATS Air5 Pro+は、同社のラインナップの中でも音質を前面に押し出した完全ワイヤレスイヤホンです。まずは主な特徴を整理しておきます。
- 10mmダイナミック+xMEMS製MEMSドライバー「Cowell」のハイブリッド構成
- LDAC・aptX Losslessの両コーデックに対応(Snapdragon Sound/Hi-Res Wireless準拠)
- 可聴域で最大55dB低減のAIアクティブノイズキャンセリング
- 風切り音対策を含む6マイクAI通話ノイズキャンセリング
- 単体約6時間・ケース込み約30時間の再生(ANC OFF時)
- 10分の充電で約120分再生できる急速充電
- 2台同時接続できるマルチポイント対応
この中でも注目したいのが、MEMSドライバーの存在。
半導体と同じシリコンウェハーから製造されるこのドライバーは、硬さと軽さを兼ね備えた振動板として理想的な性質を持ち、従来のダイナミックドライバーと比較して応答速度に優れています。
搭載モデルはまだ少なく、完全ワイヤレスで気軽に体験できる機会は貴重。
「聴いたことのない方式の音を試してみたい」という好奇心を刺激されますよね。
実際に使ってみた第一印象

手元に届いてから約1ヶ月間、通勤のお供から自宅での作業やワークアウトなど、生活の中でひととおり使い込んでみました。
ケースを開けてBluetooth設定から接続すれば、すぐに音楽を再生できるため、セットアップで迷う場面はありません。
あわせて導入しておきたいのが専用アプリ「PeatsAudio」。
マルチポイントの有効化をはじめ、本機の機能はアプリ側で管理する設計となっています。
初めて使用する際の5分だけ設定の時間を確保することで、その後の使い勝手がぐっと良くなります。
肝心の音質についてですが、最初の一曲目で「おっ」と唸らされるものがありました。
いつものプレイリストをそのまま流しただけでも、ボーカルの輪郭がひと回りはっきり聴こえる感覚があります。
比較試聴をする前の段階で、MEMSドライバーの実力を感じることができました。
そして数日使ううちに実感したのが、この音が「疲れない」ことです。
細かい音までよく聴こえるイヤホンは、往々にして長時間の使用で耳が疲れがち。
本機は繊細さと聴き心地がうまく両立していて、気づけば装着している時間が自然と伸びていました。
第一印象の驚きが、使うほどに納得へ変わっていく。そんなタイプの製品ですね。
繊細さが際立つ高音域とボーカル

ここからは、音質をもう少し詳しく掘り下げていきます。
まず取り上げたいのが、高音域とボーカルの描写力。
応答速度に優れるMEMSドライバーは、音の立ち上がりと消え際を正確に描けるのが持ち味。
聴き慣れたアコースティック系の楽曲を再生すると、弦のわずかな震えや、ボーカルの息づかいまで自然に浮かび上がってきます。
「この曲、こんな音まで入っていたのか」という発見があるのは良いイヤホンに共通する体験ですが、それがワイヤレスで味わえるのは新鮮でした。
もうひとつ好印象だったのが、サ行の刺さりにくさです。解像感の高いイヤホンは、ともすれば高域がシャープになりすぎて聴き疲れしがち。
本機は専用のパワーアンプICでMEMSドライバーを駆動する設計になっており、高域はクリアでありながらなめらかです。
女性ボーカルを音量高めで聴いても角が立たず、繊細さと温かみがきちんと両立しているんですよね。
そしてこの性質は長時間のリスニングでこそ効いてくる気がします。
作業用BGMとして数時間つけっぱなしにしても疲れにくく、「細かい音は聴きたい、でも尖った音は苦手」という方にもちょうどいいバランス。
解像感と聴きやすさを天秤にかけなくていいのが、本機の高音域のいちばんの魅力だと感じました。
弾力があって膨らまない低音域

低音域を受け持つのは、内部にデュアル銅線を採用したPU+PEEK素材のφ10mm複合振動板。
新開発の2層銅線構造と組み合わせることで、ドライバーに強力な駆動力を持たせています。
スペックだけ見ると難しそうですが、音として現れる恩恵はシンプルで、「深く沈むのに、もたつかない低音」といった感じ。
キックのアタックは力強く、それでいて膨らみすぎない。
ロックやEDMのようにキックとベースが密集する楽曲でも低音同士が混ざらず、リズムの輪郭がきちんと見えてきます。
量で押し切るのではなく、質で聴かせるタイプの鳴り方ですね。
中域の密度感も印象的で、ボーカルは耳元にすっと近づいてくるのに、不思議と圧迫感がありません。
ハミングや語尾の余韻といった細かなニュアンスが残るため、バラードをじっくり聴く時間も自然と増えていました。
MEMSドライバーの繊細な高域と、ダイナミックドライバーの温かい中低域。
役割分担が明確なぶん、全体としては「繊細かつ分析的なのに、しっとり聴ける」という珍しいバランスに仕上がっています。
ジャンルを選ばず楽しめる、懐の深い音作りです。
LDAC・aptX Losslessによる情報量

Air5 Pro+は新世代のQualcomm S3オーディオプラットフォームを搭載し、LDACとaptX Losslessの両方に対応しています。
「Snapdragon Sound」に加えて、日本オーディオ協会の「Hi-Res Wireless」規格にも準拠。
ワイヤレスイヤホンとしては、伝送まわりの装備がかなり充実しています。
一般的なBluetoothコーデックと比べて多くの音声情報を送れるため、圧縮で失われがちな空間の残響や楽器同士の距離感まで再現しやすいのがメリットの一つ。
ライブ音源やジャズのように「空気感」そのものが魅力の楽曲ほど、恩恵を実感しやすいはず。

ワイヤレスでありながら、有線イヤホンに近い自然で澄んだ鳴り方を狙える構成です。
実用面の補足をすると、これらの高音質コーデックを活かすには再生側の対応が必要になります。
LDACは主にAndroid端末、aptX LosslessはSnapdragon Sound対応スマートフォンが対象です。
私のメイン機であるMacBook ProをはじめとするApple端末ではAAC接続になりますが、それでもドライバー自体の素性が良いおかげで、十分に繊細な音を楽しめました。
LDACでの視聴はサブ機のpixel10にて試しています。
土台の音質が高いからこそ、コーデックはあくまで上積みと考えると分かりやすいと思います。
お手持ちの端末が対応しているか、購入前に確認しておきましょう。
最大55dBのAIノイズキャンセリング

高水準のノイズキャンセリング性能も「SOUNDPEATS Air5 Pro+」の大きな特徴です。
AIアクティブノイズキャンセリングに対応し、ノイズ低減効果は可聴域で最大55dB(メーカーラボでの測定値)となっています。
数値としてもかなりのものですが、面白いのは内蔵マイクで周囲の騒音レベルや装着状態をリアルタイムに検知し、AIが効き具合を自動で調整してくれる点。
その性能を最も体感したのは、駅のホームで電車を待っているとき。
装着してANCをオンにすると、周囲の話し声や機械音などがすっと引いていく感覚がありました。
人の話し声のような中音域こそ完全には消えないものの、ざわめき全体が一歩遠のいてくれるので、音量を上げなくても音楽の細部が聴き取れました。
ノイズを消すことが、結果的に音質を守ることにつながるという好循環を感じます。
通話品質への配慮も抜かりありません。
6つのマイクによるAI通話ノイズキャンセリングに加え、風切り音低減アルゴリズムと防風メッシュを組み合わせた構造となっているため、風のある屋外でも声とノイズを分離してくれます。
試しに風の強い日に歩きながら通話してみたところ、相手からは「問題なく会話できる」との反応をもらいました。
ワイヤレスイヤホンのマイク機能はオマケ程度であることも多いのですが、聞き返される場面が減るのは、日常使いにおいて地味ながら効いてくるポイントですよね。
バッテリーとマルチポイントの使い勝手

日々の使い勝手を考慮する上で最も重要とも言えるのが、バッテリーとマルチポイントです。
再生時間はイヤホン単体で最大約6時間、充電ケース併用で最大約30時間(AACコーデック・音量40%・ANC OFFでの測定値)。
通勤や作業のお供として、充電をあまり意識せずに数日使えるスタミナです。
「SOUNDPEATS Air5 Pro+」には急速充電機能も搭載されており、残量0の状態から10分間ケースに入れておいただけで、約2時間程再生できる状態に回復していました。
このようにバッテリー切れが致命傷にならない安心感は、毎日使う道具として大きな価値だと言えます。
マルチポイントは、アプリ「PeatsAudio」で機能をオンにすると2台同時接続が可能になります。
Macで音楽を流しつつ、スマートフォンを通話の待受にしておくという使い方ができるので、作業に没頭していても着信を逃しません。
SOUNDPEATS Air5 Pro+の気になったところ

ここまで良い点を中心にお伝えしてきましたが、使っていて気になった点も正直に挙げておきます。
SOUNDPEATS Air5 Pro+の気になるポイント
- LDACとマルチポイントは併用できない
- 公称の再生時間はANC OFF時の数値
- 機能を引き出すにはアプリの設定が前提
まず、マルチポイント接続中はLDACが利用できません。
「最高音質」と「2台同時接続の利便性」はどちらか一方を選ぶ形になるため、じっくり聴きたい日はLDAC、仕事中心の日はマルチポイントと、アプリで切り替える手間が発生します。
また、単体約6時間という再生時間はAACコーデック・ANC OFFでの測定値です。
LDAC接続でANCを効かせた場合はこれより短くなると考えておくのが現実的でしょう。
とはいえ急速充電が優秀なので、こまめにケースへ戻す習慣さえあれば困る場面は少ないと思います。
最後に、マルチポイントの有効化をはじめ、本機の機能をフルに使うには「PeatsAudio」アプリがほぼ必須です。
裏を返せば自分好みに調整できる自由度の高さでもあるので、欠点というより「設定を楽しめるかどうか」という相性の問題だと感じました。
SOUNDPEATS Air5 Pro+がおすすめな人

ここまでの内容を踏まえると、Air5 Pro+が合うのはこんな方です。
- ワイヤレスでも音質に妥協したくない方
- ボーカルものやアコースティックを中心に聴く方
- 通勤・通学など、騒音の中で音楽や作業に集中したい方
- PCとスマホの2台持ちで、接続切り替えの手間を減らしたい方
- LDACやaptX Losslessに対応した再生環境をお持ちの方
とくにおすすめしたいのは、「有線の音は好きだけれど、ケーブルの取り回しが億劫でワイヤレスに移行したい」と考えている方。
MEMSドライバーの繊細な描写は、有線イヤホンで培われた「細部を聴く楽しさ」に近い体験を届けてくれます。
一方で、イヤホンには「つないで鳴ればいい」というシンプルさを求める方や、設定アプリを入れたくない方にとっては、本機の多機能さがややオーバースペックに映るかもしれません。
その場合は、より割り切った構成のモデルのほうが快適な可能性もあります。
高機能を使いこなす前提で選ぶと、満足度がぐっと高まるタイプの製品といえますね。
まとめ

以上、今回は「SOUNDPEATS Air5 Pro+」の使用感ついてお伝えいたしました。
MEMSドライバーと10mmダイナミックドライバーのハイブリッド構成がもたらす、繊細なのに聴き疲れしない音。
そこにLDAC・aptX Losslessによる情報量の多い伝送、最大55dBのAIノイズキャンセリング、急速充電やマルチポイントまで加わり、完全ワイヤレスに求められる要素を高い水準でまとめ上げた一台です。
LDACとマルチポイントが併用できないといった割り切りはあるものの、それは多機能ゆえの贅沢な悩みとも言えます。
提供品であることを差し引いても、「ワイヤレスの音質はこんなものだろう」と諦めかけていた方にこそ、一度試していただきたいイヤホンだと感じました。
気になった方は是非一度チェックしてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
SOUNDPEATS Air5 Pro+
- ドライバー構成:10mmダイナミックドライバー+xMEMS製MEMSドライバー「Cowell」
- 振動板:デュアル銅線内蔵 PU+PEEK複合振動板(φ10mm)
- チップ:Qualcomm S3オーディオプラットフォーム
- 対応コーデック:LDAC/aptX Lossless/AAC ほか
- 認証:Snapdragon Sound、Hi-Res Wireless準拠
- ノイズキャンセリング:AIアクティブノイズキャンセリング(可聴域で最大55dB低減 ※メーカー測定値)
- 通話:6マイクAI通話ノイズキャンセリング(風切り音低減対応)
- 再生時間:イヤホン単体 最大約6時間/ケース込み 最大約30時間(AAC・音量40%・ANC OFF時)
- 急速充電:10分の充電で最大約120分再生
- マルチポイント:2台同時接続対応(※LDACとの併用不可/PeatsAudioアプリで設定)












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