「数値化の鬼」を読んだ感想まとめ。「働かないおじさん」誕生のメカニズムにハッとさせられる。

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仕事をする中で、もう少し自分の説明に説得力のようなものを持たせたいなあと思いつつ、「なんとなく数値で説明できればカッコ良さげになるのでは」程度のスタンスで「数値化の鬼」を購入。

才川

実際に読んでみると学ばされる事が多く、本書において説明されているのは”数学”や”会計”など計算能力的なものではなく、あくまでものごとの”数値化”をするためのマインドに焦点を当てた内容となっておりました。

〇〇力」(英語力、コミュ力など)といった、一見数値化されてそうに見えるが実は曖昧な概念をいかに無くし、行動量をいかに増やしていくか、それを達成するためには目標をどの程度細分化するかなど実務的な内容にも触れられており、参考となる部分が多々ありました。

本記事では、そんな目標達成に欠かせない数値化という思考能力を醸成させるためのノウハウが詰まった「数値化の鬼」について、簡単な要約、感想をまとめています。

気になった方は是非ご一読ください。

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目次

「数値化の鬼」著者情報

著者:安藤 広大

株式会社織学代表取締役社長。

1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモを得て、ジェイコムホールディングス株式会社(現:ライク株式会社)のジェイコム株式会社で取締役営業副本部長等を歴任。

2013年、「織学」という考え方に出会い独立。指揮学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。

2015年、指揮学を1日でも早く社会に広めるために、株式会社指揮学を設立。

人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。

2019年、創業からわずか3年11ヶ月でマザーズ上場を果たす。

2022年3月現在で、約2,700社以上の導入実績があり、注目を集めている。

主な著書に、29万部を突破した「リーダーの仮面」がある。

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「数値化の鬼」概要

本書において重要なキーワードとしてよく挙げられていたものに「PDCA」と「変数」がありました。

変数は学生時代から数学でよくお目にかかりましたし、PDCAも社会人になる前から「大事だぞ」という感じの教えを受けた覚えがあります。

本書ではこれらの概念を少し発展させて実務に落とし込んだ表現をしています。

PDCA

ビジネスの世界に身を中でいわゆる「仕事ができる人」たちに共通する「」について、PDCAサイクルというフレームワークを通じて説明できるようです。

  • P:プラン(計画)
  • D:ドゥ(行動)
  • C:チェック(評価)
  • A:アクション(改善)

このPDCAサイクルの概念自体はかなり有名なのであえて詳しく説明するまでもありませんが、著者の専門とする「織学」の中で特に重要視されていたのが「D(行動)」の部分。

D(行動)の回数を「行動量」とし、基本はこの行動量を増やす事に力を注ぐべきとのこと。

あざらし

数をこなす」こそ基本中の基本。

とはいえ、これらの行動量をいざ増やそうと考えた時には実務上障壁となるものも出てきます。

D(行動)の内容を漠然とさせてしまったがために、行動量が減ってしまうという状況に陥る事があるわけですね。

才川

本書では、こういった事態に陥らないためのアプローチについても語られており、非常に参考となりました。

変数

才川

本書でいう「変数」の概念とは、「やるべきこと、やらなくても良いこと」を見極める事です。

あざらし

著者によれば、私たちがビジネスをする上で、全ての物事は一旦数字に置き換えられるそう。

働いてお金を稼ごうとする以上、私たちの一挙手一投足には時給が発生します。

そんな中、延々と考えたところで何も状況が変わらないような事にフォーカスして思い悩んだり、気合いを入れて脳死状態で作業に没頭するのは賢明とは言えません。

そういった考えるべきこと」「考えてもムダなことは何かを見極め、最大限の効果を発揮させることが重要なわけですね。

「数値化の鬼」の気になったポイント

インセンティブの効果は薄いという事実

現在多くの会社で採用されているだろうこのインセンティブ。

要は頑張った分だけご褒美がもらえるという制度ですね。

この概念は子供の頃からお馴染みですし、一見効果がありそうに感じます。

ただこれをメインに捉えてしまうことで、従業員は目先の事だけ考えるようになり、会社への帰属意識が薄れる可能性があるとのこと。

私の職場にも人事評価制度自体はあるものの、既に何十年も前から形骸化したものになっています。

才川

頑張っても頑張らなくても平均点がもらえる感じです

可視化できる目標があまり無いことも相まって、多くの同僚はインセンティブを求めることなく「現状維持」での運転を続けているんですよね。

なので多少なりともインセンティブがあれば個々の頑張りによって結果的に会社全体の利益に繋がりそうなものですが、長期的な視点で見ればそういうわけにもいかないみたいですねえ・・・。

「働かないおじさん」誕生のメカニズム

「この人いつも何してるんだろう」という方は、どの会社にも一定数存在しているのではないでしょうか。

私も社会人1〜2年目は色々思いを馳せることもありましたが、今となっては”そういうものだ”と結論づけています。

あざらし

本書においてはこの「働かないおじさん」が各所で爆誕してしまう原因として「完全な年齢給」の弊害を指摘。

年齢給を採用している会社では、ある程度能力のある若手であっても薄給で耐えるしかありません。

この状態で我慢を続けていると、歳を取ってから元を取ってやろうという思考に陥る人が出てきます。

つまり、働く上での目標が「成果を出すこと」から「職場に居続けること」に変化してしまうわけですね。

才川

インセンティブ制度も形骸化していたりするとこの現象は更に顕著に現れ、クビにならないギリギリの低燃費で働こうと考えます。

なんとなくわからなくも無いような世知辛いメカニズムなのですが、会社を経営する方や管理職の立場であれば、こういったマインドで働く従業員は撲滅したいのが人情でしょう。

こういった流れを断ち切るには、マイナス評価を取り入れ、評価に連続性を持たせることがカギになるようです。

行動に対して意味を後付けする人間の性

これはPDCAに関連して触れられていたのですが、本書ではD(行動)の量をとにかく増やせと述べられています。

あざらし

一方、その行動についてもただ闇雲に突っ走るのはあまり良くなくて、ある程度目的(P)を見定めた上で進むのが良いとのこと。

ここでは「やった事に意味を後付けするのは人間の性」である旨解説されており、かなり胸に刺さるものがありました。

私自身よくわからない選択を行った時、よくわからない買物をしてしまった時など、「結果的にこれで良かったんだ」と自分を納得させがちなことが多分にあります。

ある程度のポジティブさも必要だとは思いますが、ビジネスにおいて行動を進める中ではあらかじめ効果がありそうな目標を見定める必要があるようですね。

才川

この点、「とにかく行動量を増やす」という部分とのバランス感がなんとも難しいように感じました。

方向性については結局この二つ
  • うまくいった場合→そのまま攻める
  • ダメだった場合→他の方法を考える

結局はトライアンドエラーで突き進むのが一番近道ということですね・・・。

他人の成功論は全て「変数」ではなく「仮説」

これもかなりグサっとくるものがあります・・・。

ビジネス書や署名人、ツイッタラーが説く成功論は全て変数」ではなく「仮説であるとのこと。

再現性が100%でない以上、鵜呑みにしたところで必ずしも大きな結果には繋がらないわけですね。

才川

定期的にノウハウコレクター状態に陥ってしまう時期が到来する私にとってはなんとも耳の痛い話でした。

あざらし

これらは全てムダな情報というわけでもなく、一つの”ヒント”として受け止めるのが上手な付き合い方のよう。

ビジネス書などを読んで気になるものがあれば、少し試してみるくらいのスタンスで実践し、自分がゴールとして設定した数値化目標に影響があるかどうか観測するのがよさげです。

試した結果影響を及ぼすようであれば、そこで初めて「仮説」から「変数」に昇華していけるわけですね。

「数値化の鬼」まとめ

以上、今回は「数値化の鬼」を読んだ感想についてお伝えいたしました。

本書で語られる「数値化」は数学や会計論に精通すべきというものではなく、曖昧な概念を数値に置き換えて目標の達成を実現させようとするものです。

四則演算の概念さえ理解している方であれば誰でも取り入れられるノウハウが詰まっていますので、気になった方は是非一度ご一読してみてください。

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