「SOUNDPEATS CC」レビュー。軽さと音質のバランスがちょうど良いオープン型イヤホン

SOUNDPEATS様よりワイヤレスオープン型イヤホン「SOUNDPEATS CC」を試す機会をいただいた。
かねてよりヘッドホン特有の圧迫感、カナル型イヤホン特有の密閉感等に苦手意識を感じていた私は自腹でBOSEのオープン型イヤホン「Ultra Open Earbuds」を購入し、使用していた。
その後1ヶ月程度経過して今回に至るわけだが、結果から言えば「初めからこちら(SOUNDPEATS CC)にしておけばよかった」感が強まっている。
音質だけに注目すればBOSEに軍配が上がるものの、他の部分に注目すればおよそ4倍以上の価格差を見出せるほどのものではない。
- クーポンコード:SPCCP05PR12
- 割引:5%
- 対象商品:https://www.amazon.co.jp/dp/B0DJXMQM9J
イヤーカフ(オープン)型の魅力
現在私の使用しているオーディオ周りのメイン機器は以下の3つ。
・Sound Blaster X5
・ソニー純正バランスケーブル
・MDR-MV1
5年前に購入したSONYの密閉型ヘッドホン(MDR-7506)の購入をきっかけに徐々にオーディオ沼に足を踏み入れつつあり、色々と寄り道しながらも基本的には有線のヘッドホンを使用することが多い。

ただ、長年有線のイヤホン・ヘッドホンを使用しながらいくつか不満も感じている。
大きな不満として挙げられるのは、やはり「ケーブルの煩わしさ」と「ムレ」の問題だ。
作業場所の変更時には外さなければならなかったり、姿勢を変える際チェアのアームレストにケーブルが引っかかったりと、小さな不満は確かに存在している。

次に「ムレ」の問題。
MDR-MV1は開放型なので一般的なヘッドホンより通気性が良いとされているものの、長時間装着していればどうしても耳の周りがムレてしまうのだ。
AirPods Pro2も所有しているが、密閉型イヤホンは長時間装着していると耳が痒くなってくる。
それらの問題を解決してくれるのが今回紹介する「SOUNDPEATS CC」をはじめとしたオープン型イヤホンである。
実はこれより前にBOSEのオープン型イヤホン「Bose Ultra Open Earbuds」も購入しており、これらオープン型が密かにマイブームとなりつつある。
SOUNDPEATS CCはオープン型という特徴に加え、比較的手頃な価格帯でありながら、音質についても安定した評価を得ている。
下段以降、Bose Ultra Open EarbudsやAirPods Proとの比較も交えつつ、その外観や使用感などについてお伝えしたい。
SOUNDPEATS CCを開封

手元に届いたSOUNDPEATS CCを早速開封。
シンプルな梱包
パッケージは非常にシンプルで、SOUNDPEATSのロゴと製品名、そしてイヤホンの写真が配置されている。
過度な装飾はなく、環境への配慮を感じさせるコンパクトなサイズだ。

箱を開け、まず目に飛び込んできたのは充電ケースとイヤホン本体。
その下には充電用のUSB Type-Cケーブルと、紙類(説明書)が同梱されている。付属品は必要最低限といった印象で、余計なものはない。
充電ケース

今回レビュー用に送付いただいたのはブラックモデル。
充電ケースは手に収まるコンパクトなサイズ感で、丸みを帯びた形状が特徴的。
ケースを開閉するヒンジはしっかりしており、カチッとした節度感がある。
マグネットの磁力も十分で、イヤホンを収納すると「カチッ」と吸い付くように収まる。逆さまにしても落下の心配はない。

ケースの前面にはインジケーターランプがあり、充電状態やバッテリー残量を知らせてくれる。
背面にはUSB Type-Cポートを配置。
ワイヤレス充電には対応していないが、この価格帯であれば十分許容範囲といえる。
イヤホン本体

イヤホン本体は充電ケース同様にコンパクトで、ステム(耳に入れる部分)も耳にフィットしやすい形状をしている。
質感はケースと同様に光沢感があり、安っぽさは感じない。
手に取った瞬間から非常に軽量さを実感し、これなら長時間着けていても疲れないだろうという印象を受けた。
本体側面にはタッチセンサーが搭載されており、「再生・停止、曲送り・戻し、音量調整、着信応答」などの操作が可能。
操作方法はシンプルで直感的。初めて使う人でもすぐに慣れることができるだろう。

シンプルながらも洗練されたデザイン、そして手にした時の質感は価格以上の満足感を与えてくれる。
特に、そのコンパクトさと軽量さは、持ち運びや装着時のストレスを軽減してくれるだろうと期待が高まった。
SOUNDPEATS CCの使用感など
ここからは、実際にSOUNDPEATS CCを約2週間使用してみて感じた、メリットとデメリットを正直に解説していく。
操作方法について
SOUNDPEATS CCの操作方法は以下のとおり。
・音量を下げる:左側を1回タップ
・音量を上げる:右側を1回タップ
・再生/一時停/着信/終電:左右どちらかを2回タップ
・前の曲:左側を1.5秒長押し
・次の曲:右側を1.5秒長押し
・外音モード切り替え:左側を3回タップ
・音声アシスタント:右側を3回タップ

操作時はイヤホンの前面をタップすることで動作する。
Ultra Open Earbudsなど、こういうタイプのイヤホンはなんとなく後ろ側に操作部が割り振られていることが多い印象なので初めは若干戸惑った。
タップ時の反応自体はまずまず良好で、個人的にはタップ1回で音量調節可能なのが地味にありがたいポイント。
Ultra Open Earbudsの場合、音量調節時には「物理ボタンを2回押下後長押し」という非常に面倒な操作を強いられ、ジョギング時などにはこれが非常に苦痛。
AirPods Pro2の用に左右どちらかのタッチ部分をスライドするだけといった操作に慣れてしまっている身としては極力同じ操作感であって欲しいところ。
SOUNDPEATS CCの操作感はこれらのニーズをしっかりと満たしてくれている。
良かった点
想像以上の音質
真っ先に驚いたのは、その音質である。
正直なところ、この価格帯のオープン型イヤホンなので、音質にはあまり期待していなかった。
しかし実際に聴いてみると、その予想は良い意味で裏切られた。
まず低音域。
オープン型は低音がスカスカになりがちだが、SOUNDPEATS CCはしっかりと沈み込むような量感のある低音を再生してくれる。
EDMやロックのような低音重視のジャンルでも、迫力不足を感じることはない。
かといって過剰に強調されているわけではなく、全体のバランスを崩すこともない。
次に中音域。
ボーカルはクリアで、一歩前に出てくるような聴き取りやすさがある。
楽器の音も埋もれることなく細かなニュアンスまで再現してくれるため、アコースティックな楽曲やジャズなども楽しめる。
そして高音域。
刺さるような鋭さはなく、伸びやかでクリアなサウンドだ。
シンバルやハイハットの音も綺麗に鳴り、音場全体に広がりを感じさせてくれる。
全体の音の傾向としては、バランスが非常に良く、聴き疲れしにくいクリアなサウンドと言える。
特定の音域が強調されすぎることがなく、様々なジャンルの音楽を気持ちよく聴くことができる。
もちろん、数万円クラスの有線イヤホンと比べれば音の解像度や奥行きでは劣るかもしれない。
ただこの価格帯の完全ワイヤレスイヤホンとして考えれば、十分すぎるほどのクオリティだと言える。

また、オープン型であるため音の抜けが良く、閉塞感が少ないという点も、音質面でのメリットとして挙げられる。
カナル型イヤホン特有の「頭の中で音が鳴っている」ような感覚が少なく、より自然な聴取体験が得られる。
抜群の装着感
SOUNDPEATS CCは、その軽さと形状のおかげで、装着感が非常に良い。
耳のくぼみにすっぽりと収まるようなデザインで、圧迫感がほとんどない。いや、全くといっても過言ではない。
私は耳の形が比較的特殊で、カナル型イヤホンだとすぐに耳が痛くなったり、うまくフィットしなかったりすることが多い。
SOUNDPEATS CCは長時間装着していても、耳の痛みや違和感を感じることがほとんどない。
通勤時やデスクワーク中に数時間連続で装着していても、ストレスや違和感は全く感じなかった。
Bose Ultra Open Earbudsの場合、どうしても「装着している感」が拭えなかったのだが、OUNDPEATS CCは耳に引っ掛けているような感覚なので、より自然な感覚でいられる。
また、オープン型であるため、耳の奥まで差し込む必要がない点も大きい。
これにより、耳の中が蒸れることもなく、快適に使用できる。
運動時にも試してみたが、ウォーキングや軽いジョギング程度であれば、耳から外れることなく快適に使用できた。
完全に耳に固定するわけではないため激しい運動には向かないかもしれないが、日常使いであれば問題なく使えるフィット感だ。

安定した接続性

Bluetoothイヤホンで最も気になる点のひとつが、接続の安定性だ。
SOUNDPEATS CCは、この点においても非常に優れていた。

私が使用しているiPhone 13mini、iPhone16proとの接続は非常にスムーズで、一度ペアリングすれば充電ケースから取り出すだけで自動的に接続される。
音飛びや途切れは今のところ一度もなく、駅の構内や人混みの中でも安定した接続を維持してくれた。

自宅やオフィスなど、比較的電波状況の良い環境であれば当然これら途切れの心配をすることなく快適に音楽を楽しめる。
動画視聴時にも音の遅延はほとんど感じられず、YouTubeやNetflixなどもストレスなく視聴できた。
必要十分なバッテリー
公式サイトによればイヤホン単体で約6時間の連続再生が可能とのことだが、実際に使ってみてもほぼ公称通りの再生時間だった。
私の使い方(通勤時、帰宅後の運動や編集作業:計3時間程度)であれば、毎日の使用に伴う消費電力分は充電ケースに戻すだけで十分賄えている。

充電ケース込みの場合約24時間再生が可能とのことなので、数日間は充電なしで使える計算になる。
実際にこの2週間ほどでケースの充電を行ったのは2〜3回程度である。
頻繁に充電する手間が省けるのは、日常使いにおいて非常に便利だ。
もちろん充電用の端子はUSB Type-Cケーブルなので、他のガジェット類と共有できる。この手軽さも地味ながら重要。
周囲の音を聞き取りやすい
”オープン型イヤホン”に共通する大きなメリットとして、周囲の音を適度に聞き取れる点が挙げられる。
カナル型イヤホンや密閉型のヘッドホン類は遮音性が高すぎるが故に外の音が全く聞こえず、車や自転車の接近に気づけないといった危険性がある。
SOUNDPEATS CCは、音楽を楽しみながらも周囲の状況を把握できるため、ウォーキング中や公共交通機関での移動中にも安心して使える。
例えば駅の構内アナウンスや、各店舗におけるレジ呼び出し、宅配便のチャイムなど、日常生活の中で聞き逃したくない音がある場面でも問題なく対応できる。
「ながら聴き」をしたい人にとっては、非常に魅力的なポイントだ。
日常生活において家事をしながら音楽を聴くような場合も、家族からの声掛けにすぐ気づけるためコミュニケーションの妨げを防げる。
コストパフォーマンスの高さ
冒頭でも少し触れたが、SOUNDPEATS CCはコスパも非常に高い。
これだけの音質、装着感、接続安定性を持ちながら、1万円を切る価格帯で購入できるのは驚きである。
初めてオープン型のワイヤレスイヤホンを購入を検討する人や、サブ機として気軽に使えるイヤホンを探している人にとっては、非常に魅力的な選択肢と言える。
気になる点

続いて、SOUNDPEATS CCを実際に使用して感じた気になるポイントについて紹介する。
厳密に言えば「個人的にはそれほど気にならないものの使用者によっては気にするかもしれない」であろう部分についても紹介している。
遮音性は低い
オープン型イヤホンのメリットの裏返しではあるが、遮音性は低い。当然のことながら、カナル型イヤホンと比較すると、外部の音はかなり耳に入ってくる。
特に、騒がしい場所(電車内、カフェ、オフィスなど)で使用する場合、周囲の騒音に音楽が埋もれてしまい、集中して音楽を聴くことが難しいと感じる場面もあった。音量を上げればある程度は改善されるが、上げすぎると音漏れのリスクも高まる。
ノイズキャンセリング機能も搭載されていないため、静かな環境での使用や、「ながら聴き」を目的とする人向けと言えるだろう。集中して音楽に没頭したい、騒音をシャットアウトしたい、という人には向かない。
多少は音漏れする
これもオープン型の特性上避けられない点だが、音漏れは少なからず発生する。特に、音量を大きめに設定すると、周囲の人にも音楽が聞こえてしまう可能性がある。

電車内や図書館など、静かな場所で使う際には、音量に十分注意する必要がある。音量を上げすぎると、周囲に迷惑をかけてしまう可能性もあるため、使用シーンを選ぶ必要があるだろう。
操作感はややイマイチ
イヤホン本体のタッチセンサーは便利だが、意図しない誤作動が時々発生した。
例えば、イヤホンを装着する際に誤って触れてしまい、再生が始まってしまったり、音量が勝手に変わってしまったりすることがあった。また、耳の形によっては、髪の毛や服が触れてしまい、誤作動を起こすこともあった。
慣れてくればある程度は防げるようになるが、AirPodsPro2やBose Ultra Open Earbudsようにしっかりと掴んで装着するというわけにはいかないため、繊細な操作が求められる。
物理ボタンの方が誤作動は少ないかもしれないが、デザイン性を考えるとタッチセンサーが採用されるのは仕方ない部分だろう。
SOUNDPEATS CCは誰のためのイヤホンか

これまでの内容を踏まえ、SOUNDPEATS CCの購入を推奨できる人、できない人を以下のとおりまとめた。
オススメできる人
以下に該当するようであればSOUNDPEATS CCをおすすめできる。
- オープン型ワイヤレスを初めて購入する
- オープン型イヤホンが好き
- 「ながら聞き」がメイン用途
- 長時間イヤホンを装着することが多い
- コンパクトで持ち運びやすいイヤホンを探している
オープン型ワイヤレスを初めて購入する
手頃な価格で基本的な性能は十分に備わっているため、初めて完全ワイヤレスイヤホンを購入する人には非常におすすめ。
オープン型イヤホンが好き
カナル型の閉塞感が苦手な人や、耳への負担を減らしたい人には、抜群の装着感で長時間快適に使える。
「ながら聞き」がメイン用途
周囲の音を聞きながら音楽を楽しみたい人(通勤・通学中、ウォーキング中など)には、安全性の面でも優れている。
長時間イヤホンを装着することが多い
圧倒的な軽さと快適な装着感により耳への負担が少ないため、長時間のWeb会議や動画編集などのデスクワークで重宝する。
コンパクトかつ持ち運びやすいイヤホンを探している
SOUNDPEATS CCは充電ケース含め非常にコンパクトなので、小さなバッグやポケットにもすっぽり収まる。
オススメできない人
逆に、以下に該当するようであればSOUNDPEATS CCはあまりおすすめできないかもしれない。
- ノイズキャンセリング機能を求めている
- 音漏れを気にする
- とにかく音質重視
ノイズキャンセリング機能を求めている
騒がしい場所で周囲の音をシャットアウトして音楽に没頭したい人には、遮音性の低いオープン型は向かない。集中して音楽を聴きたい、外部の音に邪魔されたくない、という人には不向き。
音漏れを気にする
これもオープン型の宿命といえるが、大音量で音楽を聴きたい場合、どうしてもシャカシャカした音漏れリスクがあるため注意が必要。
とにかく音質重視
SOUNDPEATS CCの音質が悪いわけではないが、オープン型イヤホンに過度な高音質を求めてはいけない。
メインの用途はリスニング重視でなく、あくまで”ながら聴き”であることを念頭において使用した方が幸せになれる
まとめ

SOUNDPEATS CCは、決して完璧なイヤホンではないかもしれない。
オープン型特有の遮音性の低さや音漏れといったデメリットも存在する。
しかしそれを補って余りあるほどのメリット、特に価格からは想像できないほどの高音質、抜群の装着感、そして安定した接続性は、多くのユーザーにとって非常に魅力的だ。
私自身このイヤホンを手にしてから2週間毎日使い続けているが、その快適さから既に手放せなくなり始めている。
オープン型イヤホンを試したいと考えている人にとって、SOUNDPEATS CCは非常に最適なエントリーモデルだといえる。
あなたが現在
- 気軽に使えるオープン型イヤホンを探している
- 耳への負担が少ないイヤホンが良い
- 周りの音も聞きながら音楽を楽しみたい
- 初めてのオープン型イヤホンで失敗したくない
と考えているのであれば、是非SOUNDPEATS CCを選択肢の一つとしてみてほしい。
そのコストパフォーマンスの高さは、あなたの期待を良い意味で裏切ってくれるだろう。
コメント